Guest Blogger: 河野太一のGMAT OG12解説 SC11


May, 24, 2010


Categories: GMAT | Taichi Kono | TOEFL/GMAT/GRE

This is another post from Taichi Kono, author of two textbooks on TOEFL and one on TOEIC and a highly experienced TOEFL, TOEIC, and GMAT instructor. Most of his posts will be in Japanese. This post is on GMAT sentence correction. His other posts can be found here.
-Adam

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河 野塾代表の河野太一です。年来の友人であるAdam Markusさんのご厚意で、”The Official Guide for GMAT Review, 12th Edition”の解説ブログの内容の一部をこちらにアップさせていただくことになりました。オリジナルは河野太一のGMAT OG12解説でご覧いただけます。なお、オリジナルのほうは予告なく内容を変更することがあり、ここに上げたものと相違があることがありますのでご了承ください。私のこれまでの記事やGMAT以外の話題についてはこちらをご覧ください。

SC11
There (Adv.) are (V) several ways (S) …, but SVが基本構造。but節の主語the most … methodに対する補語に下線が引かれている。

(A)  (A)を入れると、but節はmethod has been … the forming ofとなる。method = the formingとするのが、英語に慣れた目からすると違和感がある(後述)が、文法的に間違っているとは言えないので、一旦通過。and以降は、and … they are laidというつながりの中にafter … dryingが挿入されている形。they areのtheyが気になる。これも文法上は間違いではないが、前の主語がthe formingである以上、それを受けたitか、ないしはまったく別の主語が立つのが自然。the formingに前置詞でつながっているbricksを引っ張り出してきてtheyで受けるというのは、ちょっと不格好。しかも受動態。アヤシイと思いつ つ、(B)を見る。

(B) formingの是非も一旦置いておこう。and以降はand … to layが基本構造。するとandはhas been the forming of … and to lay themと結ぶのであろう。これではformingとto layで形が揃わないからダメ。

(C) havingは完了形ではな く、<have O done>の形をとるhave(いわゆる「使役動詞」)をdoing化したもの。doingの名詞用法を用いている点では(A)(B)との優劣はつけられ ない。and以降がhaving … and … SVとなってしまい、並列が成り立たない。といってand SVが、butの後のmethod has beenと並列されていると考えるのは意味的にムリ。

(D) to form … and … to layで、キレイに並んでいる。他にキズもなく、これが正解。

(E)  SV表現は誤解の余地が少ないためにGMATでは好かれるが、 methodをthat SVで説明するのはちょっとゴテゴテした感じ。しかもSVが受動態。首をかしげながら後ろを見て、whichがアウト。which以降の内容とwereの 複数受けから、これがbricksを指したいことは分かるが、この位置ではmud or clayにかかってしまう。関係代名詞が動詞を飛び越えて主語にかかることもなきにしもあらずだが、確率は低い。といって「前の内容を指す」のもGMAT ではダメなので、説明が付かない。

OG解説にあるとおり、実はこの問題のヒントはseveral ways to build …にある。wayがmethodと同じ意味であることに気付けば、method has been to doという形になるのも想像がつく。ただ、これを見逃す人は多いであろう。その場合でもandの並列に注目すれば何とか解ける問題。

正直 に言うと、筆者が最初に問題を解いたときは以下のように考えた。methodに対する補語が必要→methodということは、その方法を用いてこれから何 かを作るのであろう→すると未来志向だ→to doがふさわしい、と。これは「理屈」でもあるが、半分は感覚的なものでもある。またこれとは別に、そもそも「methodにはto doが適切だろう」という「感じ」が何となくあった。これまで読んできた英語の中に、似たような表現を何度か見たことがあったのだろう。この「理屈+感 覚」で一発(D)を選ぶのに5秒であった。当問題に対する答え方として最適であったかどうかは別として、「理屈」と「感覚」のコラボレーションですぐに答 が分かってしまうことは、筆者の場合は結構ある。「理屈」が重要であることは論を俟たないが、そこに「感覚」の助けがあると大幅に解答時間を短縮できるの も確かだ。筆者は実際「理屈+感覚」で解いているし、「感覚」のほうが先に結論を出してしまうことも少なくない。後から「理屈」を付けようとするが、そん な時は「理屈ってのはまだるっこしいもんだなあ」と感じてしまう。筆者はいわゆる「純ドメ」だが、学生時代から英語の本を読み続けているので、それなりの 語感は育っている。読んだ英語をそのまま覚えているわけはないが、無意識の底にデータベースが沈んでいて、それと照らし合わせて違和感のあるものを排除し たり、データの傾向に沿ったものをピックアップしたりしているのだと思う。GMATの生徒を見ていると、大抵の人は「理屈」も「感覚」も弱い。これらの人 たちはまず「理屈」を学ばなければいけない。次に多いのが「理屈」だけの人。「理屈」をやっているだけマシなのだが、多量のインプットによる「感覚」もま た重要であるという視点がなく、悩まなくていいところで悩んで時間を浪費している例を見受ける。「多量のインプット」という地道な作業を避け、テクニック に過度に依存する傾向も見られる。ノンネイティブの我々としてはあくまで「理屈」を基本とせざるを得ないが、「感覚」も多少なりと磨いておくと、それに助 けられることも少なからずあるはずだ。

the forming of …とforming …の違いは、前者がより本格的な名詞に近づいていることである。前者を「形作る行為」、後者を「形作ること」と訳すと、多少はニュアンスが出るかもし れない。したがってmethod has been the forming of …とするのは、「方法は形作る行為であった」とするかのようで違和感がある(日本語を通して考えるのは良くないが、あえて言えば)。to formも「形作ること」だが、doingは「現在(時に過去)指向」で、to doは「未来志向」という違いがある。「これからやること」に関してはto doのほうが使われやすいのは、way to doなどの語法を見ても分かる。

-河野太一

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